火と水と

人間はそもそもスピリチュアルな存在である。その証拠にキャンプの際に焚き火をみれば気持ちが落ち着く。水場が近くにあれば心が落ち着く。それは自然の精霊への交歓回路が生きている証拠だ。

原始思考

人類が鋼(はがね)を必要としたのは、生物的に弱い存在だったからだ。

飽きのボーダー

飽きてしまうものと、そうではないもの。その境界は「ナチュラルさ」にある。人間は身体に不自然なものに対して長くは付き合えない。

刃物という道具

刃物ほどインテリジェンスが問われる道具はない。なぜならば極めてシンプルで尚かつ扱い次第で危険な存在となるからだ。

道具とは

道具は身体の延長。刃物は手の延長。ナイフ選びに迷ったら「手でどのような作業をなし得たいのか?」を考えたうえでチョイスすれば良い。

素地の悪さに対して

刃がすぐ鈍ってしまう質の悪い鋼材の場合、あきらめてしまうのではなく肚を据えて、まずは研ぎ方を変えてみる。

怪我

切れない刃物ほど怪我をする。何故切れないのか?ちゃんと研げていないからだ。何故ちゃんと研げていないのか?心が乱れているからだ。

最後に残るもの

カッコ良いものでもなく、美しいものでもなく、性能が優れているものでもなく、あたたかいものが最後に残る。

執着しない

執着すればするほど精神は不自由かつ貧しくなる。

離見の見

刃物を扱う人間は他の誰よりも謙虚になる必要がある。 即座に人を殺めることのできる道具を手にしていることを常に忘れてはならない。

先見性

研ぎという行為は結局のところ鋼を溶かしてしまう行為なので、刃物を長持ちさせるためには最小限の作業で効果が出るようにしなければならない。

愛着

欠けや不均衡など、始め気に入らなかったものほど使ううちに愛着が湧いてくる。

心構え

完璧を目指さない。完璧を目指せば目指すほどエッジは脆くなる。